みんなの質問にお答え!! 島の魅力とは…?

こんにちは。本島スタンドのクルシマです。

眼前に海が広がる本島スタンドに勤務していると、毎日の海の変化に驚かされます。季節や時間帯によって変化する空、その色を映す海は海底の様子や海流の変化も加わるのか、刻々と変化し見ていて飽きないです。立春を過ぎたとはいえまだまだ寒さの厳しい今日この頃ですが、海の色は明らかに春を映しています。島に活気が戻る春はもうすぐそこです。

暖かくなったら島時間を楽しみに行ってみようかなとふんわり考えていたりしませんか?

島を訪れる方々から一番よく受ける質問は、島を一日で回れますか?おすすめの観光スポットはどこですか?

本島は周囲16.4キロ、面積6.74㎢ほど、自転車で一日観光するのに最適な広さです。

お昼前に到着するフェリー(丸亀港10:40発)で来島され、港に近い本島スタンドで、島の新鮮な材料を使用したお魚定食を召し上がった後、17:00過ぎのフェリーまで観光をするという過ごし方がお薦めです。

ボーっとする時間が欲しい方は、ランチをお弁当箱に詰めてお持ちになり、鳥の声を聴き、 海を眺めながら 一周、という過ごし方も素敵です。

本島スタンドでは電動自転車4台(大人用ミニベロ2台、 チャイルドシート付 2台)を貸出しています。(¥1500/1日)

レンタサイクル、お弁当は前日までにご予約下さい。

クルシマからのお薦めスポット

本島において特筆すべきは歴史的ストーリーの多さです。

まずは江戸時代にタイムスリップしたような散策が楽しめる伝統的建造物群保存地区である笠島。塩飽水軍が本拠地として城を構えた場所です。秀吉以降の日本の商業の発達に貢献した海運廻船業の中心地として大変栄えました。

この笠島に城が築かれたのは、理想的ないくつかの条件が揃っていたからだと思われます。笠島は三方を山に囲まれ、前方は見渡しやすい海です。更に前方の海は、向島との間で浅瀬が点在し、むやみに入り込むと座礁する可能性が高く侵入者にとっては危険な場所でした。更に集落内は入り組んだ網目のように狭い路地を巡らし見通しが利かず、城まで到達することが困難なように工夫されています。

ここで塩飽水軍についても少し触れておきましょう。陸上交通がまだ発達していない時代には、海上交通を仕切る海賊が勢力を持っていました。それを織田信長は武力として利用しましたが、豊臣秀吉は危険分子として海賊禁止令により陸に上がらせました。しかし塩飽水軍は操船技術と商売のセンスを認められ海運業を営むことを許可されました。塩飽諸島は日本で唯一、秀吉以降徳川の時代になっても時の権力者から取り立てられ、自治を許された場所として、海運廻船業により日本の商運の発達に貢献したと言っても過言ではありません。その隆盛ぶりは、決して大きいとはいえない島内に点在する神社仏閣の多さからも想像することができます。

他の地方でも廻船業が発達するようになった江戸中期以降、商売の規模が減少の一途をたどりますが、その後も船大工としての技術を活かし、塩飽大工として多くの著名な神社仏閣の建築に携わり名を馳せつづけます。また、高い操船技術はいつの時代も他の追随を許さず、幕末に太平洋を横断した咸臨丸の水夫の半数が塩飽水夫であったという逸話はその事実をよく伝えています。

笠島には、塩飽大工による繊細な細工を持つ建物が建ち並び、江戸時代以来の古き良き風情をよく残しています。本瓦葺きの中二階には虫籠窓、格子窓を設け、一階は腰格子付き雨戸構えと出格子を組み合わせた表構えの町家建築を見ることが出来ます。ナマコ壁をあしらった美しい土蔵もあちらこちらにみられます。江戸時代からそのまま残されている瓦屋根は焼き上がりが微妙に異なり、色合いに味があって趣が素晴らしいです。マッチョ通りの吉田邸では、塩飽大工の匠を内部から見学することができます。

古い街並みを散策しながら塩飽水軍のしたたかな生きざまに想いを馳せてみてはいかがでしょう。

次回は、本島の歴史を凝縮して知ることができる「塩飽勤番所」について投稿したいと思います。お楽しみに。